微生物代謝産物リゾキシンによる血管新生阻害の機構解析とその応用
Project/Area Number |
08672577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
医薬分子機能学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
及川 勉 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 化学療法研究部門, 研究員 (40120141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 成夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00013326)
嶋村 真里子 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 化学療法研究部門, 研究員 (00124462)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 微生物代謝産物 / リゾキシン / 血管新生 / 血管新生病 / がん / エポキシド基 |
Research Abstract |
我々は2種類の微生物代謝産物,ラディシコールとエポネマイシンがin vivo血管新生を抑制することを既に見出している。これらの微生物代謝産物はいずれもエポキシド基を有する。現在最も研究が進んでいる血管新生阻害物質の1つであるフマギリン類縁体もこの官能基を有する。これらの知見を基盤に,エポキシド基は新しい血管新生阻害物質を探索する際の有用な指標になるのではないかと考えた。そこでこの仮説を検証するために,この官能基を持つ微生物代謝産物リゾキシンが血管新生阻害作用を示すかを2種類のin vivo検定法,鶏胚漿尿膜法とマウス背部皮下法を用いて検討した。リゾキシンは鶏胚漿尿膜上の血管新生を用量依存的に阻害し、そのID_<50>値は3.2pmol/eggであった。また悪性腫瘍細胞S-180が誘導する血管新生を全身投与(2mg/kgi.p.)で非常に強く抑制することをマウス背部皮下法を用いて見出した。培養血管内皮細胞を用いたin vitro実験は,リゾキシンが複数の血管内皮機能(プラスミノーゲンアクチベータ-産生,増殖,遊走,管腔形成)を低nM濃度で阻害することによって,血管新生阻害作用を発揮していることを示唆した(Cancer Res.,in preparation)。以上の結果は,われわれの仮説の正当性を強く示唆するものと考えられた。このことを支持するように,血管新性抑制作用を示すエポキシド基含有新規化合物の合成にも成功した(Chem.Pharm.Bull.,in preparation)。これらの結果は,血管新性阻害剤の創薬研究に大きなインパクトを与える,すなわちその創製研究を飛躍的に推進させる起爆剤になると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)