Project/Area Number |
08672618
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
小林 英幸 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (40148953)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 糖尿病 / イムノブロット / 脳微小血管 / 培養細胞 / ストレプトゾトシン / ノーザンブロット / GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
糖尿病による脳微小血管の情報伝達の異常を明らかにするため、GTP結合蛋白質がいかに変化するかを調べた。 ストレプトゾトシン投与によりラットは多飲多尿,体重減少、尿糖強陽性、血糖値は400mg/dl以上になった。対照と糖尿病ラットから、調製した脳微小血管は高純度であり、大脳皮質重量1gから蛋白質として約500μgの微小血管が得られ収量も対照と糖尿病ラットで差がなかった。脳微小血管を可溶化後、イムノブロット法によりGTP結合蛋白質のαサブユニットを同定したところGsは45KDa、Giは41kDa、Goは39kDa、Gqは40kDaにバンドを見いだしそれぞれ脳のGTP結合蛋白質のバンドと分子量が一致した。このことから脳微小血管にGs、Gi、Go、Gqを介する情報伝達機構が存在することが判明した。また、ストレプトゾトシン投与により、Gsは48%減少しGo、Gqは20%減少したが、Giは変化しなかった。培養脳微小血管内皮細胞にもGs、Gi、Go、Gqが検出されたことにより、培養細胞でも、GTP結合蛋白質を介する情報伝達機構が維持されていることが判明した。高濃度ブドウ糖添加によるGTP結合蛋白質の発現への影響を調べたが、Gs、Gi、Go、Gqとも有意な変化は見られなかった。GTP結合蛋白質のmRNAをノーザンブロットにより調べた結果、培養脳微小血管内皮細胞には、1.85kbのGs、2.35kbのGi2、3.5kbのGi3のmRNAが認められたが、Gi1、Gqは検出されなかった。GsのmRNAは脳より50%多くGi2のmRNAは脳の約6倍多かった。またGi3は脳では、明白なバンドは見られなかったが内皮細胞ではかなり強いバンドが検出された。このことから、脳と微小血管内皮細胞では、GTP結合蛋白質の種類およびそのmRNA量が異なっていることが明らかとなった。一方、高濃度のブドウ糖によりGoのmRNAは約50%増加したが、他のmRNAに顕著な変動は見られなかった。 以上のことから、糖尿病により脳微小血管のGTP結合蛋白質を介する情報伝達に異常を来すが、脳微小血管内皮細胞を高濃度グルコース存在下で培養しただけではその様な変化は生じにくいことが判明した。
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