Project/Area Number |
08672659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 研究所・病理学第二部, 部長 (80161389)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 大腸癌 / 血行性転移 / シアリルトランスフェラーゼ / CA19-9 / シアリルLe^a / メッセンジャーRNA / PCR法 |
Research Abstract |
糖鎖性の腫瘍マーカーのうち、1型基幹糖鎖グループの代表であるCA19-9(シリアルLe^a)は、消化器癌、特に膵癌の診断に用いられる。この糖鎖は、血管内皮細胞に存在する細胞接着蛋白質のリガンドであり、この糖鎖抗原は、癌の血行性転移を媒介し促進すると考えられる。CA19-9糖鎖は、シアリルトランスフェラーゼとフコシルトランスフェラーゼの両者がはたらいて合成される。癌でCA19-9の異常な合成は、シアリルトランスフェラーゼの活性増大がその一因となっている。シアリルトランスフェラーゼには多くの分子種があり、このうち特に消化器癌で増えている分子種をの量的変化を、患者血清中や組織中で測定することにより、患者の癌細胞の転移能について、貴重な臨床情報が得られると考えられた。しかし、酵素活性を指標として測定すると、分子種の区別無くシアリルトランスフェラーゼがすべて測り込まれてしまい、分子種に特異的な測定系をくむことが出来ない。そこで、分子種特異的な遺伝子プローブで、mRNAレベルからの測定を試みた。 大腸癌でシアリルLe^aを合成するシアリルトランスフェラーゼをノザンブロット法およびRT-PCR法によって検索したところ、シアリルトランスフェラーゼのうちST-30分子種のmRNAに、癌での有意の増加を検出した。このmRNA量と、癌組織シアリルLe^a発現と間にの有意の統計的相関が観察された。一方、ST-30と競合するシアリルトランスフェラーゼであるST-4分子種が、正常大腸粘膜に比して癌組織で著明に低下していることをも見いだした。ヒト培養大腸癌細胞へのST-4アンチセンスcDNAのトランスフェクションによって、シアリルLe^Xの減少とシアリルLe^aの増加が見られるた。このことから、ST-30の競合酵素であるST-4の低下も、癌でのシアリルLe^a発現亢進に関与すると考えられた。
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