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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
目的:活性酸素が老化の原因であるという仮説が最近にわかに脚光を浴びるようになった。本研究では食品中の抗老化物質の検索を行った。予定していた老化促進マウスの入手が困難であったため,今回はWistar系雄ラットを用いた。また、CCl_4は生体内でフリーラジカルに変化し,これが引き金となって活性酸素を生成し,生体膜の高度不飽和脂肪酸を酸化することから,活性酸素を短時間で発生させるこの薬剤を本実験に用いた。 方法:エピガロカテキンガレート0.01%,茶抽出物0.5%,β-カロチン0.5%,ビタミンE0.5%あるいはセサモ-ル0.5%を添加した食餌で1週間飼育(実験1)およびカテキン0.5%ビタミンE0.5%あるいはカテキン+ビタミンE1%を添加した食餌で2週間飼育(実験2)した。各食餌群を2つに分け,体重100g当り液体パラフィン(LP)群にはLPを0.25ml,CCl_4群にはCCl_4-LP(1:1_2v/v)を0.5mlそれぞれ経口投与し,24時間後に断頭屠殺した。血清と肝臓のTBA値,SOD活性,中性脂肪(TG)およびリン脂質(PL)の含量と肝臓レシチンの脂肪酸組成を調べた。 結果:(実験1)CCl_4処理による肝臓TGの増加および肝臓PLと血清TGの減少は各抗酸化成分によって,いずれも回復の傾向を示した。また,CCl_4投与で減少した肝臓のSOD活性はどの抗酸化成分でも回復できなかった。(実験2)CCl_4処理による肝臓のTBA値の増加はビタミンE群あるいはカテキン+ビタミンE群で低下した。また,CCl_4による血清SODの増加は対照群と比べて,カテキン+ビタミンE群で減少した。さらに,肝臓レシチンのアラキドン酸とドコサヘキサエン酸の占める割合は,CCl_4投与で減少したが各抗酸化物質による効果はみられなかった。今後は抗老化と栄養条件に関する系統的な研究を続行する。
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