湿熱処理澱粉のレオロジー的性質と食品への利用に関する研究
Project/Area Number |
08680038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
家政学
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
川端 晶子 東京農業大学, 農学部, 教授 (30078133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久澤 さゆり 東京農業大学, 農学部, 助手 (60256641)
澤山 茂 東京農業大学, 農学部, 助教授 (00078213)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 湿熱処理澱粉 / ゾル-ゲル転移 / パーコレーション理論 / スケーリング則 / SEM / 結晶構造 / 糊化特性 / 弾性挙動 |
Research Abstract |
食品工業における調理加工食品素材としての澱粉は、加熱時や製品の貯蔵時における物性の安定しているものが要求され、さまざまな化工澱粉が利用されているが、水と熱のみを用いて製造された湿熱処理澱粉は、最も健康的な食品素材として注目されている。 湿熱処理澱粉は、未処理澱粉にはもっていない耐熱性、耐酸性、機械耐性を増加させ、高濃度でも安定した低粘性を示すことが経験的にわかっているが、レオロジー的性質についての系統的研究は十分に行われていない。本研究では糊化特性とゾル-ゲル転移点近傍における弾性挙動について検討するとともに、新しい用途開発を試みた。 1)湿熱処理澱粉の糊化特性 とうもろこしとキャッサバ澱粉は125℃、30分、馬鈴薯澱粉は110℃、30分湿熱処理およびいずれも未処理澱粉を試料とした。走査型電子顕微鏡を用いて表面および断面を観察した。とうもろこしと馬鈴薯澱粉では、湿熱処理によって中央に空洞が生じ、その周りに同心円状の層状構造が観察された。原理の異なった4種の測定機器を用いて糊化特性を検討したところ、いずれも湿熱処理によって吸熱ピークは高温側にシフトし、糊化温度が高くなることが認められた。また、とうもろこしと馬鈴薯では110℃付近にも融解ピークが認められた。 2)澱粉のゾル-ゲル転移点近傍における弾性挙動 3種の未処理および湿熱処理澱粉を用い、澱粉糊液の動的粘弾性の濃度依存性から、ゾル-ゲル転移点近傍にパーコレーション理論を適用し、スケーリング則による解析を行った。とうもろこし澱粉ゲルの編目構造はかなり密で硬直であり、キャッサバ澱粉ゲルは系全体としてフレキシブルであると捉えることができた。これらのゲル特性を生かして、クリームソースおよびゲル状菓子に応用し、湿熱処理澱粉の効果を確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)