膿胸関連リンパ腫における遺伝子変異の特徴と放射線被ばくの関与
Project/Area Number |
08680573
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本行 忠志 大阪大学, 医学部, 助手 (90271569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
青笹 克之 大阪大学, 医学部, 教授 (30115985)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 膿胸関連リンパ腫(PAL) / p53遺伝子 / "Cold SSCP"法 / 遺伝子変異 / CpG siteの変異 / dipyimidine siteの変異 / 放射線による被曝 / 化学物質による被曝 |
Research Abstract |
慢性結核性膿胸患者に生じた胸膜リンパ腫(膿胸関連リンパ腫(PAL))21症例について検討した。ホルマリン固定パラフィン包埋組織の薄切切片からリンパ腫(PAL)のDNAを抽出した。p53遺伝子exon5,6,7,8の変異を、PCR-"Cold SSCP"法(Hongyo et al,1993)、direct sequencing法(dye terminator法)にて解析した。 21症例中14症例(67%)にp53遺伝子の変異を認めた。合計15個の変異(exon5;11個、exon6;0個、exon7;2個、exon8;2個)(点突然変異14個および欠失1個)が認められた。14個の点突然変異のうち13個(93%)は、G:C→A:T transition、1個(7%)がA:T→G:C transitionであった。また,2個(14%)にCpG siteのtransitionが、11個(79%)にdipyrimidine siteのtransition(CC→TC or CT 11個、CT or TC→TT 0個)が認められた。 これは、PAL以外のリンパ腫、肉腫、基底細胞癌等で報告されているp53遺伝子の変異のパターン(CpG site変異が多く、dipyrimidine siteの変異が少ない)や変異のスペクトラムと大きく異なっている。また、ウラン鉱鉱夫や原爆に被爆した人に発生した肺癌や、トロトラスト注入後に発生した肝癌等におけるp53遺伝子の変異のパターン(G:C→T:A transversionの頻度>G:C→A:T transitionの頻度)とも大きく異なっている。 今後、長期にわたる放射線(X線)あるいは化学物質(抗結核剤等)による被曝がp53遺伝子に変異を引き起こした可能性についてさらに検討していきたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)