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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
1.ヒト子宮頚眼細胞由来のHeLa細胞をシャーレ上に単層培養し,150mM KClを含む実験液に交換し,この高K^+取込み量を測定した。このK^+内向き輸送は,quinine,細胞内Ca^<2+>キレート試薬(BAPTA-AM),Ca^<2+>依存性K^+channel阻害剤(charibdotoxin,iberiotoxin)により40-50%阻害された。すなわちこのK^+内向き輸送の多くがCa^<2+>依存性K^+channelを介すると示唆された.この高K^+培養液中,細胞を最大1.7Tの変動強磁界(3秒間隔)に曝し,磁界がこのK^+取込み輸送にどの様な影響を与えるかを調べた. 2.1時間以上の曝磁はquinine感受性K^+取込みの30-40%を阻害した. 3.次にFura 2-AMを用い細胞内Ca^<2+>濃度を測定したところ,高K^+液への置換は細胞膜の脱分極を引き起こし,細胞内Ca^<2+>濃度を1.5倍に増加させた。強磁界への曝露はこのCa^<2+>濃度の増加を抑制し,正常細胞濃度と同じ値を保持した。すなわち曝磁によるK^+取り込み阻害はCa^<2+>濃度増加抑制による可能性を示唆した。 4.この強磁界のイオン輸送への作用は,細胞膜表面負電荷の増加による可能性を先に示唆している.そこでこの実験ではフーリエ変換赤外線分光計を用い,浮遊培養させた同細胞表面の蛋白質構造変化が磁界により生じるかを調べた.なお,この実験では最大800gauss,50Hzの変動磁界を作用させた.曝磁により,アミドII領域(NH:1548cm^<-1>)の吸収が急激に減少し,遊離カルボン酸とみられる領域((COO)^1:1600cm^<-1>)の吸収が反対に増加した.すなわち膜表面負電荷の増加を示唆し,同時に細胞膜蛋白質の構造変化を引き起こしたと見られる。ただし,この変動磁界の作用は磁界の除去により,直ちに回復した。現在,引き続き解析中である.
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