電子スピン共鳴法によるグアニリルシクラーゼの活性部位の構造と活性化機構解析
Project/Area Number |
08680721
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀 洋 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20127294)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | グアニル酸シクラーゼ / 一酸化窒素 / 情報伝達 / シクラーゼ活性 / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は高等生物における情報伝達物質として多面的な機能を有する。生体内におけるNOの生合成はNO合成酵素(NOS)によって分子状酸素とL-アルギニンより作られる。NOの標的分子として最も重要なものは可溶性グアニル酸シクラーゼ(GC)である。GCは感知器部位にヘムを持ち、NOが結合するとシクラーゼ活性が劇的に上昇する。NOがヘムに結合した情報がGTP結合部位に伝えられて、細胞内仲介物質サイクリックGMP(cGMP)が合成される。感知器から効果器部位への情報伝達機構はほとんど解明されていなかった。 本研究では、可溶性グアニル酸シクラーゼのNOあるいは外来性配位子であるアジド(N_3^-)による活性化機構を電子スピン共鳴(EPR)分光法を用い、(1)還元型ヘム-NO反応中間体の解析からヘム-NOの配位構造、相互作用の解析、(2)酸化型ヘムに結合する外来性配位子(N_3^-)の電子状態、配位子とヘム近傍アミノ酸の相互作用の詳細な解析を行なった。 これらの実験結果より、ヘム鉄と内在性アミノ酸軸配位子間の結合が切断された5配位型構造のヘム形成とシクラーゼ活性上昇との相関が明らかになった。更に、GTP結合による配位子分子の結合(親和)性が顕著に上昇する事、ヘムの電子状態が変化する事をを初めて見い出した。これらの変化はシクラーゼ部位にGTPが結合して構造変化が引き起こされ、その変化がヘム部位に伝わったと解釈できる。本課題研究の遂行は立教大学牧野龍教授の全面的な協力によって行なわれ、現在論文を製作中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)