Project/Area Number |
08680743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 彰 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00252578)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Keywords | 相同組換え / 試験管内反応系 / Rad51蛋白 / Rad52蛋白 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
相同組換え反応は体細胞分裂期にはDNA二重鎖の切断の修復に必須の役割を果たす。特にDNA間の相同性を認識し、交換を行う中間過程は一連の組換え反応の中で根幹をなす反応である。出芽酵母の遺伝的解析からこの過程に少なくともRad51,-52,-54,-55,-57,-59,RPA蛋白質が関与していることが知られている。現在までに、Rad51が試験管内で大腸菌RecAの様に組換え反応を試験管内で行うことが示されている。一方、これらの遺伝子産物は複雑な相互作用を示し、ほとんどすべての蛋白質が蛋白質間相互作用で結ばれる。真核生物の相同組換え反応の分子操作を理解するにはRad51に加え、それと相互作用する他の因子の生化学的性質を理解し、試験管内の組換え反応系を構築することが重要である。既に精製法が確立されたRAD51に加え、本研究で、大腸菌でRad52の、バキュロウイルスの系でRad54,55,57の量産系を確立した。Rad52については精製し、その生化学的性質を調べた。精製したRad52蛋白質をRad51蛋白質のDNA鎖交換反応、ATP水解活性を促進した。特に、DNA鎖交換反応においては単鎖DNA結合蛋白RPAと独立で相加的に促進する。また、ある条件下ではRPAはRad51のATP水解活性を阻害するが、その阻害はRad52が存在するで解除されることがわかった。これらの結果はRad52がRad51のDNAに対する結合を強めていることを示唆している。上記で見た試験管内の反応は生体内の反応を反映しているかどうかを調べるためにrad52変異株における細胞内のRad51 foci形成について調べた。Rad51 fociは核を抗Rad51抗体で染めると検出できるドット状の核内構造体で、組換えが行われている細胞内のRad51蛋白質-DNA複合体を反映していると考えられる。実際、rad52株ではRad51 fociが検出されないことは、Rad51 foci形成にはRAD52の機能が必要であることを示し、これは上記の試験官内の解析結果とよく一致している。これらの結果より組換えにおける蛋白質複合体の段階的な複合体形成が以下のように考えられる。単鎖DNAに単鎖DNA結合蛋白質RPAが結合し、蛋白質相互作用によりRad52が呼び込まれる。さらにRad51-52間の相互作用でRad51がこのRad52-RPA-ssDNA複合体に取り込まれ、形成された4者複合体がDNA間の相同性の検索、並びに交換を行うと考えられる。このように個々の構成要素から試験管内の組換え反応系を構築し、さらにcytologicalな手法を用い生体内の反応と試験官内の反応を対応づけることでよりin vivoを反映した系で組換えの分子機構が解明できることが期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)