ヘパリン結合性成長因子ミッドカインの標的組織の同定およびシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
08680761
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 寿子 名古屋大学, 医学部, 助手 (50182134)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ミッドカイン / ヘパリン / 成長因子 / アクチビン / 形質転換 |
Research Abstract |
1.NIH3T3細胞への作用:細胞増殖促進、足場非依存性増殖、ヌードマウスにおける造腫瘍能の3点を満たすことから、MKがMIH3T3細胞を形質転換させる能力を持つことがわかった。但し、これはcDNAを導入した場合におこり、外来性のMK蛋白では誘導されないこと、さらに、cDNA導入に際し、細胞核周辺にMK蛋白の集積がみられることから、NIH3T3細胞の形質転換には細胞に内存性のNKが、分泌型のMKに加えて重要なことが示唆された。また、もう1つの重要な特徴として、形質転換した細胞が基質から自然に遊離する現象がみられた。 2.アクチビンとのクロストーク:アフリカツメガエルの初期発生において、アクチビンは中胚葉を誘導し、さらに2次的に神経を誘導する。アフリカツメガエルMKのRNAを初期発生段階のアフリカツメガエルに注入すると、アクチビンによる中胚葉誘導が阻害される。このことはアニマルキャップの伸展の阻害およびRT-PCRによる中胚葉マーカーの発現の抑制の両者で確かめられた。一方、神経誘導では、頭部と体尾部マーカーで大きな違いがあり、前者は誘導され、後者は中胚葉と同様抑制された。MKとアクチビンは直接結合しないことから、各々の細胞内シグナル伝達機構の間でクロストークがあることが示唆された。 3.マウス13.5日胚脳神経細胞への応用:ビオチンMKのin situ binding assayにより、マウス13.5日胚の中枢神経を含むいくつかの組織が、MKと結合することが示された。そこで、さらに、13.5日胚脳神経細胞の初代培養を用いて、^<32>Pーリン酸ラベルによって、MKに結合する蛋白を解析した。その結果、400〜700ダルトンを中心にSPS-PAGF上で、幅広くスメアを引くリン酸化された糖蛋白がMKに特異的に結合することが判明した。 今年度の成果により、MKの標的細胞として、MIH3T3細胞、アフリカメツガエルの外胚葉、マウス13.5日胚脳神経細胞が明らかになった。今後、MKとアクチビンあるいはTGF-βスーパーファミリーとの相互作用の分子機構解明、細胞内シグナルの動態解析、MKと結合する糖蛋白の解析の3点に力点をおいて、研究を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)