中枢神経の生存・発芽・可塑性に対する熱ショック蛋白質の作用
Project/Area Number |
08680835
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松木 則夫 東京大学, 薬学部, 助教授 (70126168)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 神経細胞生存 / ストレス / 熱ショック蛋白質 / アポトーシス / 細胞壊死 |
Research Abstract |
成熟した脳神経細胞は分裂・増殖する能力をもたないため、神経細胞死はそのまま高次機能障害をもたらす。アルツハイマー病、パーキンソン氏病やハンチントン舞踏病では神経細胞が変性・脱落することが知られている。従って、損傷を受けたニューロンの死を防ぎ回復させることが重要になる。細胞がストレスを受けたときに発現するストレス蛋白質のうち熱ショック蛋白質(HSP)には、傷害から細胞を守る作用が期待される。我々は既に培養海馬神経細胞の無血清状態による死に対して熱ショック蛋白質が保護作用をもつことをアンチセンスを用いて直接的に証明した。本研究ではさらに検討を加えた。まず、無血清による細胞死はアポトーシスではなく壊死であることを明らかにした。さらに培地中のカリウム濃度を急激に低下させたときに誘発されるアポトーシスに対してHSP70は作用しないことを明らかにした。従って、HSP70は壊死に対してのみ保護作用を示すと考えられた。脳虚血時には海馬の神経細胞が部位特異的な傷害を受けることが知られている。この部位特異性を明らかにするために海馬をスライスの状態で培養しグルタミン酸を添加した。その結果、生体内で観察される場合と同様に部位特異的な神経細胞死が観察され、スライス培養が有力な手段であることが明らかになった。今後はこの実験系を用いて部位特異的な脆弱性がHSPの発現とどう関係するか、およびシナプスの発芽・可塑性に対する作用を追求していく。特にin vivoの実験においてCRFがHSP70を誘導することが明らかになったので、熱ショック以外の条件を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)