Project/Area Number |
08680887
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
姜 英男 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50177755)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 記憶・学習 / 脱分極性スパイク後電位 / カルシウム依存性カチオン電流 / バースト様後発射 / フェニトイン |
Research Abstract |
記憶や学習の素過程となる可塑的神経回路の形成には、シナプス結合における可塑性及び神経細胞膜興奮性の可塑的変化の両方が関与すると考えられるが、現時点では、長期増強や長期抑圧のようなシナプス結合における可塑性の研究に大きな進展が見られるものの、神経細胞膜興奮性の可塑的変化についての研究は非常に限られたものである。 最近、研究代表者は、脱分極性スパイク後電位(DAP)を有する大脳皮質第VI層錐体細胞の発火パターンが、強い脱分極電流パルスを条件刺激として与える事により、regular spiking patternからdoublet/triplet spiking patternに、可塑的に変化することを初めて報告した。また、DAPを有するある種の非錐体細胞においても同様の条件刺激により、regular spiking patternがburst spiking patternに、可塑的に変化し、興奮性が飛躍的に増加する事が観察された。その際、発火周波数のアダプテーションが消失し、DAPの増強と同時に外向き電流も何らかの修飾を受けたことが示唆された。このような発火パターンの可塑的変化に際して、共通して観察されたことは、DAPの増強である。また、海馬錐体細胞におけるDAPはタンパクキナーゼCの活性化により増強される可能性が示唆されている(Andrade,1991;Constanti and Bagetta,1991;Sim et al.,1992;Constanti and Libri,1992;Seaser et al.,1993)。従って、発火パターンの可塑的変化はセカンド・メッセンジャーを介するDAPの増強に起因する可能性が非常に高い。 以上のような報告・実験結果を背景として、これまで、ホールセル・パッチクランプ法を用いて、ラット前頭皮質錐体細胞における脱分極性スパイク後電位の解析を行い以下の結果を得た。 (1)DAPはCa^<2+>依存性のカチオン・チャンネル(P_K>P_<Na>>P_<NMDG>=P_<TEA>)が脱活性化する過程で発生するslow-tail電流により担われている。 (2)通常のリンガー液([K^+]=3mM,[Na^+]=150mM)中では、カチオン・チャンネルの反転電位は-40mV付近で、それより脱分極側ではスパイクの再分極を促進する外向き電流として働き、過分極側ではDAPを生じる内向き電流として働く。 (3)細胞外K^+濃度のわずかな上昇によりDAPが増強されburst afterdischarge(バースト様後発射)が誘発される。 (4)DAP及びその本態であるカチオン電流は抗てんかん薬のフェニトインにより著明に抑圧される。 (5)グルタミン酸及びムスカリン酸作動性代謝調節型受容体の活性化によりDAPが増強される。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)