培養基質への接着と組織中の細胞接着の比較分子細胞生物学
Project/Area Number |
08680938
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大和 雅之 日本大学, 薬学部, 助手 (40267117)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | コラーゲン / FAK / インテグリン / アクチン線維 |
Research Abstract |
ラット背部皮膚および人工的に作成した創傷部位について、共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて、免疫組織学的検討をおこなった。培養細胞では高度の組織化が観察されるアクチン線維は、正常真皮中に存在する線維芽細胞ではまったく観察されなかった。β1インテグリンは、表皮細胞や毛包細胞では発現していたが、その局在は細胞-基質間接着ではなく細胞-細胞間接着に関与することを強く示唆するものであった。正常真皮中の線維芽細胞ではβ1インテグリンは検出されなかったが、創傷治癒部位の線維芽細胞では、血球系の細胞と共に強く発現していた。創傷治癒部位の線維芽細胞はアクチン線維の組織化も観察された。正常真皮中の線維芽細胞は、大量のコラーゲン線維によって三次元的に覆われているため、抗体が認識するエピトープがインテグリン細胞外ドメインにある場合、コラーゲン線維によるマスキングの可能性を否定できないが、インテグリン細胞質ドメインを認識するポリクローナル抗体を用いても同一の結果がえられたので、マスキングはないと結論した。 有限寿命をもつ正常二倍体線維芽細胞を用いた、基質接着部位に濃縮する種々の分子の抗体染色の結果は、これまでに用いられてきた無限寿命をもつNIH3T3やSwiss3T3と同様であった。培養細胞では非常によくその発現を検出できるFAKは、正常組織では、ほとんど検出できなかった。 以上の結果は、培養細胞系は、創傷治癒部位の線維芽細胞とは似ているものの、正常真皮中の線維芽細胞とは大きく異なることを示唆している。
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Report
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Research Products
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