Project/Area Number |
08710016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
葛西 賢太 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (00281014)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 道徳教育 / 宗教教育 / 小集団 / 精神分析 / 発達 |
Research Abstract |
「合衆国における道徳・宗教教育と精神分析的発達心理学について」と題された本研究では、神学的な道徳・宗教教育ではなく、とくに神学的な専門職にかかわりのない一般大衆における道徳・宗教教育の現状について検討した。 米国中産階級の価値観において、協会や神学の及ぼしうる影響力は減少の傾向にあるが、一方、道徳・宗教的情操の教育はけっして軽く考えられてはいない。そのことは、荒れた公立学校ではなくより安全な私立学校へ児童を就学させようという傾向の他に、米国社会全体において小集団small-group活動が広く見うけられることから示される。小集団活動は、子どもをもつ親の話し合いの場や、趣味の集まり、なんらかの障害や病いをかかえた人々のわかちあいの場など、さまざまな形態をとっているが、それらの諸形態に共通して見いだされるのは、それが集団の目的を実現させることのみでなく、参加する個人の道徳的・宗教的な情緒の函養と、活動を通じての彼らの生の方向づけができるとの期待である。このような期待がいだかれている理由については、社会心理学における小集団研究(方法概念としてであり、本研究が史的概念として小集団を捉えるのとは異なる)と社会学的な小集団の分析を踏まえる必要がある。同時に、中産階級を核とした米国文化が小集団活動という形で宗教的情緒を函養するにいたった宗教史的経緯を合わせ考えなければならない。 上述の社会学・社会心理学的分析と宗教史的経緯の検討とは、2本の論文および2度の学会発表において問われた。当初目的としていた文献収集は進展し、関連文献目録を作成中である。一方、文献を中心とした調査のみでなく、参与観察・面接調査・質問紙調査などの手法で刻々とかわりつつある現状を捉えることも必要であったが、本年度はそこまで到達できなかったため、引き続き調査を継続する。
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