Project/Area Number |
08710033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 吉一 北海道大学, 実験生物センター, 助手 (40261359)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 知覚 / 嗅覚 / 視覚 / 感覚間統合 / 哺乳類 / 種間比較 |
Research Abstract |
一般に、ヒトを含め霊長類は視覚により依存しており、嗅覚は他の動物に比べて劣っている、あるいは退化していると言われている。しかし、人を含め霊長類の嗅覚を理解するためには、嗅覚自体の解析のみならず、視覚との関わりを検討する必要がある。この問題へのアプローチの一つとして、対象を識別する際の嗅覚と視覚への依存度を、系統的に多様な種間で比較することが考えられる。 上記のような観点から、嗅覚と視覚への依存度を、魚類まで含め脊椎動物を広く対象とし系統的に多様な種を対象として比較することは非常に興味のもたれる問題である。そこで今年度は、申請者のこれまでの研究との関連から、特にサル(Macaca属)およびラットを対象として、嗅覚刺激(匂い)と視覚刺激(色、形等)を弁別刺激とした場合、それらが同時に提示された時手掛かりとしてどちらの刺激に依存するか、すなわちどちらを“より多くあるいはより効果的"に使うかを、各刺激の生態学的特性を考慮に加え検討することを計画した。実際に嗅覚・視覚の関係を検討していく上で、当初設定していた訓練課題では刺激間での依存度の差異が、実験場面による影響を強く受け、必ずしも刺激特性や課題で想定した文脈により決まらないという問題が生じた。そこでよりふだんの行動を用いかつ嗅覚刺激や視覚刺激を操作可能なテスト法として、霊長類に対して人口ナッツ法を確立させた。さらに、霊長類のみならず他の動物に対しても広く応用可能なゼリーテストを確立させた。これにより、採食過程に限られるが、嗅覚・視覚の働きをさまざまな哺乳類で比較することが可能になると考える。
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