Project/Area Number |
08710074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉江 征 筑波大学, 心理学系, 助手 (70222049)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 自律訓練法 / 身体 / 意識 / 心身症 |
Research Abstract |
本研究は、身体の意識化という点から心身症に対する代表的な治療法である自律訓練法の特徴を検討することを目的とした。研究1では、36名の大学院生に対して、4日間の講習期間で標準練習6公式の訓練を行った。訓練の開始前と第二公式終了時と講習終了時に、それぞれ19個の形容詞対からなる身体感覚の評定尺度を実施した。ターゲットとなる評定対象は、公式に対応した6つの部位に意識と注意を加えた合計8つであった。多次元尺度構成法を用いて分析したところ、ターゲットの分化が認められ、自律訓練法による身体の認知の分化が確認された。研究2では、バイオフィードバック訓練の手続きと比較検討する目的で、自律訓練法実施群と身体への注意集中群を設定し、身体の認知的な分化の違いを検討した。被験者は、大学生31名でランダムに2群に振り分けた。訓練は一週間間隔で2回練習に参加するというものであった。研究1と同様に多次元尺度構成法で分析を行ったところ、自律訓練法群では、明確な分化は認められなかったのに対し、注意集中群ではある程度分化していることが認められたものの、その分化に意味のあるようなまとまりは認められなかった。これは、注意集中のみでも分化は可能と思われるが、自己の身体を統合するには自律訓練法のような認知的な枠組みも必要と思われた。研究3では、一般の成人13名に対して約2ケ月間自律訓練法を実施し、その前後での身体意識化尺度(Body awareness questionnaire)の変化を検討した。その結果、参加者個別の得点では改善の認められるところも多く示されたが、全体として統計的には有意ではなかった。またこの研究では、心身症患者の身体の意識化の変化を検討することも目的としたが、現在のところ十分なサンプルが得られておらず、統計的な検討はなされていない。今後継続して検討を行っていくところである。
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