Project/Area Number |
08710096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂田 桐子 広島大学, 総合科学部, 講師 (00235152)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | リーダー役割回避 / 性差 / 出現リーダー / 責任代表性 / 課題の性別適合性 / 集団の性別構成 / 職場規範 |
Research Abstract |
本研究は、リーダー役割回避行動の性差が生じる基礎的メカニズムを、実験的研究と実態調査から明らかにしようとするものであった。実際には、実験的研究として、(1)場面想定実験による、リーダー役割の責任代表性の程度、課題の性別適合性、および集団の性別構成の媒介効果の検討、(2)女子大学生4名の討議集団13組の観察による、個人特性およびリーダー役割の責任代表性と出現リーダーの関連の検討、を行った。また、コミュニティ集団から得られるサンプルに偏りがあったため、実態調査の対象を職場集団に切り替えた。具体的には、4年制大学卒業者への2回の郵送調査を行い、職場の業績規範および男女差別的風土と管理職就任意欲の変化との関連の検討を行った。これらの研究から新たに見出された知見は次の4点である。 1.場面想定実験から、リーダー役割の責任代表性が低い場合、および課題が女性適合的である場合には、リーダー役割回避行動の性差が消失することが確認された。ただし、女子大学生討議集団の観察では、責任代表性の低いリーダー役割と比べて責任代表性の高い役割を特に回避する傾向は見られなかった。これは性役割規範の顕現しにくい同性集団であったためと考えられる。責任代表性と性役割規範との関連をさらに検討する必要がある。 2.集団の性別構成は単独では効果をもたないが、上記2要因の調整変数として作用することが示唆された。 3.職場の業績規範が高いと女性の管理職就任意欲が上昇する傾向にあり、職場規範の重要性が示された。差別的風土の効果は認められなかったが、これは差別的職場に属する回答者が比較的少なかったためと思われる。 4.討議集団の観察から、リーダーシップ能力の自信とリーダー役割への関心度が高いほど集団討議に積極的に参加し、それがリーダー出現につながることが示唆された。影響欲求と性役割志向性の効果は認められなかった。
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