Project/Area Number |
08710156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | The International University of Kagoshima |
Principal Investigator |
安藤 究 鹿児島経済大学, 社会学部, 講師 (80269133)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 個人化 / 家族変動 / 社会変動 / ライフコース |
Research Abstract |
本研究は、日常生活というミクロな場面の様態を通して、鹿児島という社会の変動を捉えようとしたものである。ミクロな場面の様態を捉える上では、近年の社会変動を理解する上で一つのキーワードとして関心を持たれている「個人化」に特に焦点をあて、果たして「個人化」というような変動が実際に生じているのか、また、「個人化」の動向が年齢層によって異なっているかどうかを中心にして調査をおこなった。 対象者の選出は2段階抽出法で行った。鹿児島市の選挙人名簿を用いて、鹿児島市内の桜島地域を除く町・丁から50地点を抽出し、各地点でそれぞれ20名を抽出した(男性・女性それぞれ10名づつ、計1000人)。なお、対象者の年齢は、96年12月末日で、25歳以上69歳以下とした。′97年1月中旬に調査票を郵送し、2月の上旬に調査員が回収をおこなった。有効回収率は、本調査の分析に入ったところで73.1%であった。 調査票では、社会・イエ・家族・個人のそれぞれの単位へのコミットを検討する質問と、また、「個人化」という視点では特に焦点となる「家族の個人化」という変動を検討する質問を用意した。結果は、全体的には若年層が高齢層に比して「個人化」の傾向が異なった。例えば、人生観においては、若年層が高齢層に比して社会という単位を重視する傾向にあり、年齢が下がるほど個人という単位を重視する傾向にある。ただし、婚姻上の地位でコントロールすると、既婚者が最も家族という単位を重視し、未婚者は個人という単位を重視する傾向にあり、また、若年者ほど未婚者が多いので、今後「個人化」がさらに進行するという結論は簡単には下せない。また、個々の質問が具体的に指し示している材料によっても回答の傾向には相違がある。今後の課題としては、多変量解析を進めるとともに、ライフコース・パターンや生活領域の意味についても注意を払って解釈する必要がある。
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