Project/Area Number |
08710178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
桂 直美 三重大学, 教育学部, 助教授 (50225603)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ふしづくり / 音楽 / 表現 / 児童集会 |
Research Abstract |
本年度の研究では、1960年代より岐阜県に始まり今日まで継続している「ふしづくり」の教育実践を以下の2つの方法によって検討し、その実践の本質が音楽科という一教科教育として捉えられるものではなく、表現活動を通して一人ひとりを自律した表現主体に育てることを目的とし、教育課程全般を視野に入れるものであることを明らかにした。 第一に、理論的な骨格を作った山本弘の著作を中心に、文献の検討によって初期の「ふしづくり」の特徴を考察すると同時に、1970年代までの主たる実践校である「古川小学校」において重要な役割を果たしたとされる山崎俊宏元教諭、および紺谷健次郎元教諭に聞き取り調査を行い、児童の作文等の資料も得た。これにより、古川実践の初期においては自律的な学ぶ主体の教育に重点があり、「ふしづくり」による表現活動が音楽にとどまらず他教科に波及する性格のものであると考えられていたが、ある時期より音楽科教育の為の効果的な教育方法であるという捉え方が強くなっていったこと、それがふしづくりの衰退期と一致していることがわかった。 第二に、小学校における「ふしづくり」の今日的な実践の可能性をさぐるために、小規模校における全校児童集会を「ふしづくり」の中核に位置づける岐阜県「下羽栗小学校」の実践を範型と捉え、下羽栗小学校と、三重県の「鵜川原小学校」において現在進行中の教師の取り組みを記述的に研究しようとした。下羽栗小学校では、音楽表現と国語表現の融合を進め、集会の性格も変化していることが伺えた。鵜川原小学校では、新たに児童集会を発足させようとしたが全教員の理解を得るに至らず、教員対象の講習会の計画を含め次年度以降に持ち越された。
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