Project/Area Number |
08710186
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
芝山 明義 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (10243742)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 市民文化活動 / 地域社会 / 人間形成 / 演劇 / 社会的属性 / 自己表現 / 自己教育 |
Research Abstract |
本研究では、多世代による市民文化活動がもつ地域社会変容要因特にその人間形成機能の解明を目的として、研究計画にしたがい以下の調査研究を実施した。1 地域社会における市民文化活動に関する文献を探索し、特に演劇活動に関する各種資料を収集し多面的に検討した。また成人期を中心とした生涯学習機会に関する文献を収集し、多世代を含む学習機会の構造と機能的特性を理論的に検討した。2 調査対象地域である大阪府豊中市において、行政施策としての地域文化活動の成立要件の把握ため、当該活動に関する資料を追加収集し行政職員からの聞き取り等をおこなった。3 当市に特徴的な市民文化活動である「市民演劇」活動における参加者と運営者との相互交渉過程と人間関係の変容・創出過程の検討のため、活動運営者からの文書等の情報の収集、活動参加者からの面接・電子通信等による資料収集及び市民演劇活動の継続的な経過観察と一部参与による資料収集を実施した。以上の収集資料の検討・分析により、この市民文化活動が世代とともに性・居住地域・障害の有無等多様な社会的属性をもつ参加者に相互交流・理解の機会を提供し、同時に演劇という活動形態が自己表現とその受容による相互理解を経て集団次元での人間関係の変革と再形成の機能を果していることを指摘できる。また個人次元でもより深層へと至る自己理解と自己変革への自己教育的契機としての意味をもつことも重要な知見である。さらに一般市民の活動運営への主体的関与が行政施策面での地域社会の変容へと架橋する可能性もみられる一方、活動の継続実施に伴い参加者の参加経験の差異が新たな属性として集団内分化を発生させている点を新たな課題として指摘できる。この市民文化活動の特に人間関係変革と自己教育的契機としての機能に着目して、活動当初の目的である人権教育実践へと架橋するための諸条件を検証することが今後の課題である。
|