Project/Area Number |
08710212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小池 淳一 弘前大学, 人文学部, 助教授 (60241452)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 陰陽道 / 大雑書 / 卜占 / 祭文 / 民間説話 / 守護神 / 明きの方 / 南島 |
Research Abstract |
民俗事象の中に見いだされる方位観の形成過程について考察してきた本研究の成果は大きく3つに分けることができる。第1は説話や祭文など民間において伝承されてきた広義の文芸を素材として、そこに見いだされる方位観とその周辺の概念の検討を行なった。その結果として方位観の形成と民俗事象への流入には陰陽道系の知識の介在が確認され、方位をはじめとする空間や物質に対する価値観が中世以降、宗教的儀礼の執行を通して民衆生活に浸透していったことが明らかとなった。その成果の一端をまとめ、「鬼の呪宝の系譜-陰陽道と昔話との交渉-」(『昔話-研究と資料-』25号)として発表を予定している。第2は東北地方における生年の干支による守護神仏配置と方位観の検討である。その結果としてイチダイ様、ケタイ神などと称される民間信仰が巫俗及び近世の陰陽道書との関わりと不可分であることが判明した。そしてこうした信仰が生成されていく過程を検証し、都市型、個人志向の信仰のモデルとして位置づけることができることを論じた「イチダイ様信仰の生成」(『弘前大学国史研究』102号)を発表する予定である。第3は方位観の形成に重要な役割を果たした卜占書の検討である。特に近代以降の大雑書類の基礎的な研究と南西諸島及び北奥羽地方における大雑書類の受容の問題についての調査とを行ない、実態を明らかにしてきた。前者については書誌的な報告と内容の紹介を行ない、後者については沖縄の宮古島におけるソウシ(双紙)の内容と継承の様相を整理し、東北地方では「明きの方」概念と陰陽道書との関連について考察する糸口を見いだした。これらの点については日本宗教学会で研究発表した他、今後、日本民族学会等で研究発表を行なう予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)