西アフリカ・ダン村落社会の結社組織の情報操作表現にみられる国民国家像の研究
Project/Area Number |
08710214
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
真島 一郎 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助手 (10251563)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 西アフリカ / リベリア / コートディヴォワール / 結社 / 植民地 / ダン族 / 発話 / 情報論 |
Research Abstract |
フランス植民地期および共和国独立後の地方史についてのダン語録音資料を解析した結果にもとづき、平成9年3月中に、論文2篇を発表する予定である。うち一つは「西アフリカ大西洋中央地域(CWA)とポロ結社の史的考察-シエラレオネ、リベリア、ギニア、コードディヴォワール」(アジア・アフリカ言語文化研究53号所収)と題する論考である(400字詰め原稿で約300枚分)。これは、西アフリカ大西洋岸における13世紀以来の住民移住プロセスを再構成しながら、対象地域における結社文化史を19世紀後半以後の植民地期・国民国家期にいたるまで、マクロな視点から考察した論文である。また一つは「ダナネ地方南部・ダン族の神話-歴史伝承群-45の事例」(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)と題する資料集成である(400字詰め原稿で約400枚)。この論考では、対象をダン族の一地方に限定したうえで、植民地期以前からフランス植民地期にいたるまでの歴史事象を語る口頭伝承を音声表記ならびに日本語翻訳で紹介し、ダン社会における伝統的な政治表象・植民地表象を本格的に考察するうえでの一次データを公表した。 一方、人類学の聞き取り調査における、言語表現(語彙やレトリック)を介した情報操作の特徴的なパターンの抽出作業、および情報理論や発話の関連性理論をめぐる国内外の文献研究からは、成果として3篇の論考が得られた。この3篇は、平成9年前半に公表されるべく、目下、印刷中である。うち一つは、「憑依と楽屋-情報論による演劇モデル批判」(岩波書店)、また「身体動作とことば」(平凡社)、さらに研究成果の国際的な公表をめざした"Voix de Masque sans Visage"(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)である。これらは、社会学、言語学、認知科学など、人類学の隣接分野における最新の研究成果を、ダン社会のコミュニケーションプロセスの分析に理論的に適用するうえでの、理論的な基盤を公表した論考群である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)