Project/Area Number |
08710271
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
考古学(含先史学)
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
高橋 照彦 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助手 (10249906)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 奈良三彩 / 緑釉陶器 / 灰釉陶器 / 鉛釉陶器 / 流通 / 地域性 / 平安時代 |
Research Abstract |
本研究では、奈良三彩や平安期緑釉陶器の出土例を集成し、一部その資料を実見したうえで産地や時期の判定を行い、全国的な流通状況の把握に努めた。その成果の一部を簡単にまとめれば以下のようになる。 まず奈良三彩については、都城周辺域に出土が集中し、他の地域では出土量が僅少で、その分布には地域差などの偏差は少ない。その器種構成ならびに出土地の観点からすると、小壷など小型器種が集落などから出土するタイプと瓶や鉢などの大型器種を中心に寺関係の遺跡から出土するタイプの2種に、大きくは類型化できた。 8世紀末から9世紀初めの奈良三彩から平安期緑釉陶器の移行形態とも言える緑釉単彩陶器については、栃木県(下野国分寺)のほか、福岡県(潤崎遺跡)から出土していることを新たに確認した。当該期資料の出土は、従来近畿地方以外からは確認されていなかったが、奈良三彩と同様、ごく小量ながら畿外へも搬出されていたことが判明した。当該期に単に鉛釉陶器生産が衰退していたのではないことが明らかである。 平安期緑釉陶器については、奈良三彩よりも格段に流通量が増加し、畿外では国府など拠点地域への集中が顕著である。緑釉陶器と灰釉陶器の比率をみると、灰釉陶器の圧倒する東国型、両者の均衡する畿内型、緑釉陶器の圧倒する西国型に、全国の遺跡を類型化できた。産地に着目すると、9世紀には東海産が多数を占める東日本型、畿内産が多数の西日本型に分かれ、さらに防長産を加えるとそれが一定量出土する西日本西部型とほとんど出土しない東部型に類型化が可能である。 なお、個々には記さないが、個体数など数量的なチェックも行っており、現象面の整理がある程度達成できた。今後は、そのような流通状況を呈した要因やそれを規定する構造を追究するのが課題である。
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