Project/Area Number |
08710295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国文学
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
丹羽 謙治 鹿児島大学, 教養部, 講師 (40264460)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 遊里 / 吉原細見 / 出版 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、吉原の出版物に関して総合的に調査・研究を行なった。昨年は享保〜天明期という、遊里のみならず江戸時代社会全体が大きく転換していく時代に限定したが、本年度は幕初および幕末・明治期へと範囲を広げることとした。 本科研費により、天理大学附属天理図書館、国立国会図書館、都立中央図書館、西尾市教育委員会岩瀬文庫、大東急記念文庫など遊里関係文献が所蔵されている機関を調査した。 筆者は、八木敬一氏と共同で吉原細見の書誌研究を行なってきたが、平成八年三月末に『吉原細見年表』(青裳堂書店)としてまとめることができた。しかし、天理図書館の遊里文献については、その一部のみ収載するに留まったため、同館のご好意により調査を継続、その結果を「天理図書館蔵遊里評判記・細見目録稿(上)」(『ビブリア』No.106、平成八年十月)として発表した。これは、同館所蔵の吉原細見を目録化したものである(但し、評判記・地方細見については平成九年度に持ち越しとなった。)これらにより、吉原細見についてはその九割以上を明らかに出来たと考えており、さまざまな学問分野で細見を活用することが可能となった。 一方、細見以外の一枚物などは、現在まで残存するものが少ないため、二三種の灯篭番付を見出したにすぎない。また、昨年から継続している「遊里関係文献目録」もわずかずつながら増やすことができた。この二点は今後の課題であり、地道に調査・資料蒐集を続けていきたい。 吉原細見については書誌的調査が終了したが、今後は異本調査を行なうとともに発行の過程の考察を深めなければならないと考えている。
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