『和漢兼作集』を中心とする平安-鎌倉期の和歌及び漢文学の展開についての研究
Project/Area Number |
08710304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国文学
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
木戸 裕子 鹿児島県立短期大学, 文学科, 助教授 (30259767)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 和漢兼作集 / 歌合 / 和漢朗詠集 / 堀河百首 / 和歌の構成 / 部立 / 和漢比較文学 |
Research Abstract |
1.『和漢兼作集』所収の詩歌の出典について:『御所本和漢兼作集』所収の和歌のうち、平安時代の歌合での作は41首あるが、『御所本』の詞書に「歌合」の記述があるものは規模の大きい晴れの行事としての歌合で詠まれた歌であり、記述のないものは比較的私的な集まりでの作である。また、従来、他の歌集では歌合の歌と認められていない歌で、『御所本』によって歌合での作であることが判明したものや、『平安朝歌合大成』で作者不明とされていた歌で『御所本』によって作者が明らかになったものもある。鎌倉時代の歌合での歌は33首であるが、平安時代の歌合の場合と違い、私的な歌合での作はほとんど見えない。 2.『御所本和漢兼作集』の構成を考える場合、『和漢朗詠集』の部立の影響を無視するわけにはいかないが、中国の類書の影響の残る『和漢朗詠集』に比べると、『御所本』はむしろ、『古今和歌集』等の勅撰和歌集の構成・配列になっている所が大きい。八代集以降の鎌倉時代の勅撰集との比較はできなかったが、一般的に節月意識が消え、暦月による季節の推移が文芸の季節観の根本になったといわれる鎌倉時代において、節月的な「年内立春」の詩句が巻頭におかれた『御所本和漢兼作集』の文学史上の意味は大きい。 3.『和漢兼作集』作者の事跡・伝記については未だ調査の途中である。今後、院政期から鎌倉時代にかけての公家日記から『和漢兼作集』の無名作者についての記事を探す予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)