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17世紀英国宮廷仮面劇と市民祝祭劇との連関の可能性について:ヘンリーの場合

Research Project

Project/Area Number 08710326
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 英語・英米文学
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

南 隆太  名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (60247575)

Project Period (FY) 1996
Project Status Completed (Fiscal Year 1996)
Budget Amount *help
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Keywords宮廷仮面劇 / 市民祝祭劇 / ヘンリー皇子 / ジェイムズ1世
Research Abstract

宮廷仮面劇と市民祝賀劇とが形成する1つの大きなサククルを考察することにより、それが上演された特定の時期における君主とその家族とを取り囲む演劇的想像力の政治・文化的役割が明らかになる。しかしその役割歯、新歴史主義による仮面劇批判の多くが提出したような一貫した意味を持った王権論におさまるのではなく、むしろそういった仮面劇批判が提出した王権論を裏切るような結果となる。仮面劇と市民祝祭劇の持つ教育的な効果を、当時の政治的な言説をたどることで再検討し、複雑に絡み合った政治的姿勢の読み替えと考える。
以上のことを1610年のヘンリー皇子のプリンス・オブ・ウェールズ戴冠に関わるサイクルを通して検証した。その結果少なくとも二つのことが明らかになった。一つは、一般に流布していたヘンリーと父ジェイムズ一世との対立関係を収めようとする面と逆に増幅する要素とが、個々の劇の中で見られるだけでなく、劇ごとにその強調される面が異なっていたということである。従って連続して上演された劇は、それぞれ先行する劇を否定あるいは補強する形で繋がっていた。このことは、ヘンリー皇子のプリンス・オブ・ウェールズの戴冠に関わる劇と、その後のエリザベスの結婚に関する仮面劇と祝祭劇、ヘンリーの死後の、弟チャールズのプリンス・オブ・ウェールズの戴冠に関する劇にまで連続していることが明らかになった。
このようなそれに続く祝祭劇群との関わりを見た時にもう一つ別のことが明らかになった。それは市民祝祭劇の衰退と仮面劇の隆盛の過程であった。公的な存在としての君主とその家族の劇中のイメージが仮面劇と市民祝祭劇との間で乖離していくのである。仮面劇のみの上演へと移行する理由をジェイムズやチャールズの個人的嗜好へと安易に還元するのではなく、仮面劇と市民祝祭劇の演劇的想像力が喚起する政治性が重要な意味を持っていたのではないかと推測できる。

Report

(1 results)
  • 1996 Annual Research Report

URL: 

Published: 1996-04-01   Modified: 2016-04-21  

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