Project/Area Number |
08710369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
言語学・音声学
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Research Institution | Kyoei Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
見上 昌睦 共栄学園短期大学, 社会福祉学科, 助手 (30279591)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 吃音 / 音響分析 / 基本周波数 / VOT / モ-ラ持続時間 / stop-gap duration / ピッチ曲線 / フォルマント周波数 |
Research Abstract |
1.目的:吃音幼児3名を対象として治療による吃音の軽快化に伴い発話の音響的特徴がどのように変動するかを検討した。2.方法:(1)対象児:2歳代に発吃した3歳男児1名、3歳女児1名、4歳女児1名計3名。初診時のTK式幼児発達検査によるDQ、ITPA言語学習能力診断検査によるPLQは正常発達範囲、吃音重度3〜6。(2)治療:児童中心遊戯療法と母親面接により治療。(3)手続き:治療期間中の治療と同日に4種の発話サンプル(有意味語絵カード呼称、有意味語復唱、無意味音節復唱、日本語5母音復唱)を、DATに録音し分析した。(4)発話の分析:パーソナルコンピュータを用い、音声分析システム「音声録聞見」を使用して基本周波数(F_0)、VOT、モ-ラ持続時間、stop-gap duration、ピッチ曲線、5母音のフォルマント周波数(F_1、F_2、F_3)を解析。 3.結果:3名の対象児は全ての検査語を聴覚的には吃らずに発話した。全治治療期間中、吃音症状の最も重かった時期のサンプルと軽快化した時期の分析値を比較した。(1)F_0:全3事例の有意味語呼称時のF_0は吃音症状が最も重い時には最も高く、軽くなると重い時に比べて顕著に下降。また、1事例においてはその後症状が悪化すると上昇するのが観察された。(2)VOT:全3事例について、吃音の軽快化に伴い短縮、遷延、変化なしという、一定した結果ではなかった。(3)モ-ラ持続時間:全3事例中、短縮した傾向2例、変化のない傾向1例であった。(4)stop-gap duration:全3事例では短縮、遷延、変化なしという結果で一貫性はみられなかった。(5)ピッチ曲線:2事例は非吃音児群のものと似た緩やかな下降パターンを示し、1事例に環境心理面の変化に対応して吃音症状が重くなるとピッチ曲線に急激な下降パタンがみられた。(6)F_1、F_2、F_3:非吃音児群の測定値範囲に入っており、非吃音児群との間に明確な差は認められなかった。(7)吃音症状軽快化の指標として、F_0が下降することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)