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中国語諸方言の舌尖母音韻母の成立に関する音声学的研究

Research Project

Project/Area Number 08710370
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 言語学・音声学
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

池田 巧  立教大学, 研究部, 助教授 (90259250)

Project Period (FY) 1996
Project Status Completed (Fiscal Year 1996)
Budget Amount *help
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Keywords中国語方言 / 舌尖母音韻母 / 貴徳方言 / 泰州方言 / 二重母音の単母音化 / 気音の騒音化
Research Abstract

本研究では,中国語に特有の舌尖の摩擦を伴う母音/i/について,その音声学的な性質と歴史的成立過程の諸側面を明らかにすることを目的として,現代方言の記述資料の比較と音響学的測定を行った。これまでこの母音の出現は,音節初頭子音が舌先の破擦音の系列の音節に限られると考えられていた。しかし,近年になって中国各地の方言調査の進展に伴い,音節初頭子音が唇音の系列の音節にもこの舌尖母音の現われる方言が少なからず存在することが知られるようになってきた。これらの方言資料を収集して比較した結果,その出現分布と成立条件に共通した発展過程のあることがわかった。それは,(1)大部分の方言で/ei/という二重母音が単母音化して/i/になっており,音節^*/pei/が/pi/となったため,それに遂われるかたちで^*/pi/が/pi/へ移行したと考えられる。(2)そのためには破擦音の系列においても同様に,^*/tsi/→/tsi/,^*/tsei/→/tsi/という変化が先に生起していることが前提条件となる。(3)この条件を満たさない方言に/pi/のような音節が存在する場合は,隣接する方言でこれらの変化がすぐに生じており,その借用ではないかと考えられる。という3点である。また,音響測定の結果では,唇音の系列の音節にこの舌尖母音が現われる場合,母音部分はいずれも強い騒音的性質をもつことのほか,音節初頭子音が有気音の場合には,/phi/(<^*/phei/)の気音hの部分が騒音のきわめて少ない空白を示すのに対して,/phi/(<^*/Phi/)では,/psz/と表記しうるような,ほとんど摩擦音に近い騒音が記録された。このことから,/si/が/si/(/sz/)へと変化したのと平行するように,音節初頭子音が唇音の系列の音節では,母音/i/がより高い位置/j/に移行するにともない,有気音子音の気音部分が摩擦音的性質を帯びたのが変化の始まりではなかったかという仮説を立てるに至った。

Report

(1 results)
  • 1996 Annual Research Report

URL: 

Published: 1996-04-01   Modified: 2016-04-21  

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