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ベンジャミン・フランクリンの箴言-その技法と文学的意義

Research Project

Project/Area Number 08710376
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

澤入 要仁  東北大学, 言語文化部, 助教授 (20261539)

Project Period (FY) 1996
Project Status Completed (Fiscal Year 1996)
Budget Amount *help
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Keywordsフランクリン / ことわざ / 箴言 / 短詩型
Research Abstract

本研究は、フランクリンが『プア-・リチャードの暦』の中に発表した箴言と、Robert Howard Newcombが未刊の博士論文の中でつきとめたその材源とを照らし合わせてみることによって、「箴言作家」とも呼ぶべきフランクリンの力量の一端を明らかにしたものである。
たとえばフランクリンが使った材源には、“No rose without a thorn."とあったのを、フランクリンは、“You cannot pluck roses without fear of thorns,/Nor enjoy a fair wife without danger of horns."のように書き直した。材源の抽象性を思い切って具体的にした例である。“thorns"と“horns"が韻を踏んでいるだけでなく、“fear"と“fair"の頭韻も利用している。しかも、“roses"と“thorns"、 “a fair wife"と“horns"の対照が使われただけではなく、“roses"と“a fair wife"、 “thorns"と“horns"とが比較されることによって、この箴言がユーモアを帯び、いっそう鮮やかな印象を与えるものになった。もとはことわざであったものが、フランクリンによってユーモア詩になったと言ってもいいだろう。
このように、この研究は、科学者、外交官、自伝作家などとして研究されてきたフランクリンを、あらたに「箴言作家」として研究したものである。確かにフランクリンの箴言の多くには典拠がある。その点ではフランクリンの箴言のオリジナリティは低いのかもしれない。しかし、フランクリンはその材源を圧縮したり、補足したり、アメリカの環境に合わせたりして多種多様に換骨奪胎することによって、より印象に鮮やかで、そしてより人工に膾炙しやすい形に改めていたのである。この功績は大きいと言わさるをえない。

Report

(1 results)
  • 1996 Annual Research Report

URL: 

Published: 1996-04-01   Modified: 2016-04-21  

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