Project/Area Number |
08720015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
橋本 博之 立教大学, 法学部, 助教授 (80172873)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 河川法 / 水資源開発 / 渇水 |
Research Abstract |
本研究によって得られた成果は、次のようなものである。本研究の第一の目的は、現在の水管理行政の「現場」で生じている問題点について、実態調査を行うことにあった。本研究により、近年深刻な河川渇水を経験した福岡地域、琵琶湖・淀川流域の関係機関の聞き取り調査等によって、渇水時において、現行法では正面から予定されていない水の融通が行われた事例を知ることができた。また、琵琶湖及び猪苗代湖の実態調査によって、現行法で対応されていない湖の水位調整に関する様々な問題点について知見を得た。これらの法的問題として共通するのは、河川水系における上流地域と下流地域の利害を調整し、水系としての合意形成を図ることが可能になるような法的仕組みの欠如である。そこで、本研究の次の目的は、右の状況を改善するため、将来あるべき水管理の法制度の姿を探ることにある。本研究では、新旧河川法に関する文献(立法にあたって参照されたと考えられる外国法の文献も含む)を収集整理して現行法の問題点を探るとともに、実態調査で明らかになった法的問題について行政法理論的な分析を行った。そして、現行河川法の構造は、水質まで考慮した利水行政や、利水者相互間の利害調整のシステムとして必ずしも十分と言えないことが明らかになった。また、水資源開発に関する現行法のシステムも、水量確保を中心とした河水統制期・高度成長期に適合したものであって、現在の社会的需要に対応したものではない。他方、現時点において、地方分権や行政改革といった流れの中で、新しい河川管理の仕組みが模索されており、また、河川法改正作業も進行中である。今後は、これらの制度改革・現行法改正の動向をフォローしつつ、本研究で得られた成果をもとに具体的な法制度のあり方を提言して行きたいと考えてる。
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