Project/Area Number |
08720020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
International law
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴田 明穂 岡山大学, 法学部, 助教授 (00273954)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 国際法 / 法源 / 国際法形成過程 / 国際レジーム / 正当性 / 公正 |
Research Abstract |
1.国家は、なぜ国際法規範を遵守するのか。本研究は、国家が国際法を遵守すべきであると認識する一要因として、国際法形成過程における正当性と公正さが考えられるのではないかとの仮説の下に理論的及び実証的研究を行い、この仮説を根拠付けることを目的とした。 2.まず理論的研究として、伝統的な法源論の意義と限界を、「一貫した反対国」の法理を再検討することを通じて明らかにした。すなわち、「一貫した反対国」の法理が、その理論的基礎が脆弱であるにも拘わらず主張されるのは、国連海洋法条約作成過程に顕著に見られたように、会議本における対話によって成文規範が意識的に形成されるような現代的国際法形成過程を適切に把握する理論が、未だに構築されていないからであった。そして、この新たな理論を構築する際には、現代的国際法形成過程において主張されている、国際法形成過程の手続的正当性と内容的公正さを検討しなければならないことも明らかになった。 3.次に実証的研究であるが、これについては、時間の制約から、その検討に着手したばかりである。具体的には、南極条約レジームの正当性に関する議論を追っている。また、自然及び産業災害時の国際緊急救援制度の成立過程を検討しながら、国際レジームの形成と実施において、国際機構(IAEAや国連)が関係国の利害を調整・バランスしながら、当該レジームの正当性と実効性を確保する機能を担っていることが明らかになった。今後は、さらに多くの国際法形成過程を実証的に分析することにより、国際法形成過程における正当性と公正さのより具体的な要因を抽出していく必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)