Project/Area Number |
08720023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
International law
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
徳川 信治 立命館大学, 法学部, 助教授 (60280682)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 自由権規約 / 社会権規約 / 国際人権規約 / 国内的適用 |
Research Abstract |
日本における国際人権規約の援用状況に関して弁護士から聞き取りを行った。現在の日本において国際法(特に国際人権法)を援用する事例が増えてきたこと、にもかかわらず日本の弁護士が現在国際人権規約の内容について、国内法ほど、十分理解しているわけではないことが指摘できる。そのため、国際人権規約を始めとする国際人権法の内容の具体化が切望されていることが指摘できる 現在国際人権規約に関わり日本で係争中または係争した事件は、いくつかあるが、自由権規約のみならず、社会権規約の条文を援用したものが少なくない。台湾人元日本兵補償訴訟等のように社会保障の受給に関する問題で社会権規約の援用が生じている一方、阪神大震災に関わり居住権に関する問題が最近では生じつつある。この点は今年度ハビタットIIの開催が行われたこととも関連して今後の検討課題として残される。 日本において問題となりうる自由権規約の条文は、7条、8条、9条、13条、14条、17条、23条、24条、25条及び26条である。これらの解釈について個別条文の起草過程及び実施過程を検討する作業に移った。 人権条約の国内的適用に関して、フランスを対象に検討を行った。この国は、法律よりも国際法を上位と憲法55条で定めつつも、実際には国家主権との関係で事実上同位のものとされてきたこと、それでも近年では憲法規定にあるように条約を上位に検討する慣行が見られたことが指摘できる。こうした変化は、破棄院が条約を独自の国内法上の法源として条約適合解釈を行ったり、それ以外でも、憲法院が法律を条約適合的に解釈、すなわち限定解釈を条件として法律の効力を認めるという手法を用いていることで現れた。こうした解釈手法は、事前審査と事後審査という違いはあったとしても、国内法体系上の条約の位置づけが日本においても利用できるのではないかと考えられる。
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