Project/Area Number |
08730013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic statistics
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
中村 英樹 福島大学, 経済学部, 助教授 (00272097)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Solow成長モデル / 収束過程 / 1人当たり国民所得のデータからのみ / 収束速度 |
Research Abstract |
私は、Solow成長モデルの収束過程の枠組みで、経済成長の国際的相違を、実証分析によって説明するための新たな方法を考えた。近年の経済成長の国際的相違をSolowモデルで説明しようとした実証分析には、Mankiw,Romer and Weil(1992,Quarterly Journal of Economics)やIslam(1995,Quarterly Journal of Economics)などがある。Mankiw,Romer and Weil(1992)は、Solowモデルと、そして、人的資本を加えた拡張型のSolowモデルを、各々、定常状態とそれへの収束過程のもとで考慮し、98ケ国のクロスセクションデータを用いて推定を行った。Islam(1995)は、パネルデータを用いて、Solowモデルの収束過程を推定した。時系列方向のデータも使ったことにより、初期の技術水準を各国別に推定できるようになった。 Solowモデルにおいて収束を考えるとき、時間tにおける有効労働1単位当りの国民所得を、初期と定常状態におけるその所得、そして、収束速度と時間tによって表せる。従来の研究では、定常状態における労働1人当たりの国民所得を、利用可能なデータから求めた投資率や人口成長率などの変数から推定した。そこで、私は、利用可能な1人当り国民所得のデータからのみ、収束過程を推定する方法を提唱する。収束過程の式を、変形するなどいくらかの操作を施し、定常状態が明示的に出てこない様にする。そして、適切な形で誤差項を仮定すると、入手できる1人当り所得のデータからだけで、各国の収束速度を推定できる。また、この方法により、従来の研究に使われている(人口成長率+技術進歩率+減価償却率)のデータに、測定誤差が含まれているかどうかも検定できる。 上記の方法は、福島大学経済学部DPとして作成中である。また、提唱した方法を用いて、実証分析を行う予定である。
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