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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
研究課題Iについては十分満足すべき結果が得られた.実際我々は研究目的で述べられたものよりも一般的な設定の下で結果を得た.総実体を一つ固定してその上の可換総実半単純環のGL (2)の特別な部分群をとり,その上の保型形式とそこに作用するヘッケ環を考えた.ここでは重複度1定理が成り立たないが,必要なデータがヘッケ巻に含まれているという点は通常のGL(2)の場合と同様である.さらに肥田氏のp-ordinaryコホモロジーの理論を我々の場合に一般化し,それを用いてp進ヘッケ巻に関する主要結果が導かれた.このp進ヘッケ環に対して,Wiles, Taylor, Carayol, Nyssen, Rouquierの諸氏によって発展された準表現の理論と通常のGL (2)の場合のガロア表現の結果を応用することにより,当初予想されたとうりのガロア表現を得た. 研究課題IIについては,Panchishkin氏のSiegel-Eisenstein測度が我々の応用のために十分な性質を持たないことが判明し,現在修復中である.この点を解決すればこの研究課題のみではなくKlingen-Eisenstein測度や種々のRankin積型のp進L関数等さまざまな応用が期待されるので今後の継続課題としたい. その他,研究目的には陽に述べなかったが,『代数体のGL (2)のカスプ形式の許容p進測度』『ordinaryなp進楕円的カスプ形式の標準的p進L関数の分解』の二つの研究が関連する研究として申請期間内に完成したことを付記しておく.
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