Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
主に(a)log代数幾何学の観点からアーベル多様体の退化の研究,(b)トーリック多様体への正則写像の研究,を行った.以下それぞれについて報告する. (a)アーベル多様体のモジュライ空間のコンパクト化の構成において本質的な役割を果たすマンフォードの構成法を対数スキームの理論に一部一般化できた.これはValery Alexceev氏と中村郁氏の安定準アーベル多様体の,対数スキームの観点からの別の定義を与える.今後の課題は対数スキームへ一般化したマンフォードの構成法を応用してアーベル多様体のモジュライ空間の自然なコンパクト化を構成することである.この理論において,代数的トーラスを含む半アーベル多様体の適当なコンパクト化自身にも群構造が定義できることから様々な応用が期待される.なお,ここでいうlog schemeの理論とは,log構造と呼ばれる可換半群の層をschemeに付随させるFontaine-Illusie流のもので,従来のschemeの一般化である. (b)代数多様体から準射影的あるいは単体的トーリック多様体への射を,トーリック多様体の斉次座標環を用いて扇から定まるデータで具体的に書き下した.これは,Cox氏の滑らかなトーリック多様体への射に関する仕事の一般化である.また,代数多様体上の有理曲線を数えあげることにより,ミラーシンメトリーや量子コホモロジー論に応用すること,トーリック多様体への埋め込みの判定,形式的対数スキームの代数化への応用などが今後の研究課題である.
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