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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
局所環の一般化されたレビー長が素イデアルによる局所化によってどのように変動するかを調べた。特に,素イデアルに沿って局所環が法平坦な時に,局所化によってレビー長は減少するのではないかという予想をたてた。これと類似の問題として局所環の様々なホモロジカルな性質について,素イデアルに沿った法平坦性を仮定した時に局所化の持つ性質が元の局所環の性質を導くかという問題について調べた。正則性については広中による良く知られた結果があるが,同様のことがCohen-Macaulay性,Gorenstein性,完交性についても成立するという結果を得た。さらにこの結果は,Matijevic-Roberts,後藤・渡辺による次数付環のホモロジカルな性質の次数付素イデアルによる局所化による判定法の別証明に応用でき,さらに次数付環以外の順滑かつ連結ファイバーを持つ一般の群スキームの作用について同様の判定が可能であるということもこの事実を用いて示すことが出来た。局所環のレビー長と関わりが深いCohen-Macaulay近似についてもGorenstein性を仮定しない状況で簡約群の作用のついた形への一般化を得た。Gorenstein環の指数(index)はデルタ不変量を経由して定義されるが,最近,Gorenstein性を仮定せず,Tate-Vogelのコホモロジーを用いてデルタ不変量を取り扱う手法がMartinkovskyらによって提出されたのを受けて,この手法をDing予想の解決に応用できるのではないかと考え,随伴次数付環のCohen-Macaulay性を仮定せずに随伴次数付環の指数を考え,レビー長との比較を試みたが,新しい結果を得ることは出来なかった。Gorenstein性を仮定しない状況での指数の理論の確立は今後の課題である。
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