Project/Area Number |
08740054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geometry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
寺垣内 政一 広島大学, 理学部, 講師 (80236984)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 結び目 / デーン手術 / 射影平面 / 3次元多様体 / ザイフェルト多様体 |
Research Abstract |
3次元球面において、結び目にそってデーン手術をおこなってえられる3次元多様体が射影平面を含む場合は、結び目が自明な場合か、特別な形のトーラス結び目かゲ-ブル結び目の場合しか知られておらず、これらに限ると予想されている。この予想は、いわゆる射影空間予想とよばれるものと、ケーブル予想の一部を肯定するものであり完全に解決することは非常に困難である。そこで、結び目の種数とよばれる不変量に注目し、種数が低い場合の考察をおこなった。その結果、種数1の結び目に対しては、先の予想を解決することができた。ただ、そのときにもちいた手法は、種数1であることの特質に大きく依存しており、残念ながら現段階でより高い種数の結び目に対して同様の議論を行うことはできなかった。一方、3次元球面内の結び目に限定せず一般の3次元多様体内の結び目にそってデーン手術をおこなった場合、いつ射影平面が生成されるかという問題に関しては、完全な解答を得ることができた。 たとえば、3次元球面内の結び目の補空間を考えると、そこに向きづけ不可能な閉曲面は含まれないのだが、デーン手術の結果、そういう閉曲面が生成されることがある。種数1の向きづけ不可能閉曲面とは射影平面であり種数2のものはクライン・ボトルとよばれる閉曲面である。射影平面の場合におこなった議論をさらに発展させて、クライン・ボトルの生成に関する議論をおこなうことで、トレフォイル結び目を除く、種数1の結び目のデーン手術によっては、射影平面を底空間にもつザイフェルト多様体は得られないことを証明した。結び目のデーン手術によって、いつどんなザイフェルト多様体が生じるかという問題は重要な問題であり、種数1の結び目はそういった手術を許容しにくいことを示す結果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)