Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
20世紀初頭,ワイルは統一場理論を定式化する上で,リーマン多様体の一般化として,今日,ワイル多様体と呼ばれる概念を導入した.物理現象の記述の可能性は別として,ワイルの理論は数学的には興味ある対象であると考えられる.ところが,現代的立場に立ったとき,今世紀における,大域解析学を用いたリーマン幾何学の発展と比較すると,ワイル多様体の幾何学は置き去りされてきた感がある.本研究の問題意識は,共形構造と接続の幾何学として,ワイル多様体の,近年の大域解析学の技術を用いた展開を試みることにあった.今年度に行った研究により得られた研究成果は以下のとおりである. 1.アインシュタイン計量におけるアインシュタイン・ワイル構造の変形についてのある種の剛性に関する研究. 2.ワイル構造に対する,リッチ曲率の完全不変量としての特徴付け. 3.共形的に平坦なアインシュタイン・ワイル多様体の分類. これらの結果は,今後,この研究を進めて行く上で,基礎的な部分を占めるものであると考えられる.更に,今年度,本研究を行うことにより,アインシュタイン・ワイル構造に対する,ある不変量と作用素が,これらの研究を進めて行く上で非常に重要な対象である,ということを認識するに至った.基礎的な問題であるにも関らず,今年度の本研究で明らかにされなっかた問題についても,上に述べた不変量や作用素をより詳しく調べることにより,新たな視点を与えるものであると考えられる.
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