Project/Area Number |
08740087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡田 靖則 千葉大学, 理学部, 講師 (60224028)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シンボル計算 / 複素偏微分方程式 / distribution |
Research Abstract |
有限階の方程式に対して、シンボル計算を行なって複素の特性初期値問題を解く試みは、低階項に関する仮定を省いた場合には十分一般的に成功したとはいえないが、一つ目に、定数係数の方程式に関しては無限階作用素や平行移動を含めたクラスの作用素に対して、逆シンボルの計算を行なうことで、解の解析接続を直接示すことができた。また、初期値問題ではなく複素の擬微分方程式に対するGoursat問題を考えた場合にも、適当な仮定の元にtemperedな正則函数に対するwell-posednessを示すことができた。 定数係数の(一般に無限階の)方程式に対しては、局所作用素の場合まではシンボル計算による方法が取られていたが、有限伝播性を持つ方程式に対してはこれまで関数解析的な手法しかなかった。しかし、定数係数の方程式に対して、逆シンボルの核関数を定義することで、複素領域における解をデータに対する逆作用素の作用とみなす表示ができ、特性集合と解析接続可能性の関係を取り出すことができた。 Goursat問題はこれまでかなり厳しい仮定を科した上で議論されてきたが、複素の擬微分方程式でシンボル計算を用いた解析を行なうことで、ある種の正則関数の空間に対して、及びその境界値で表されるdistributionの空間に対する可能性と特異性の評価を行なうことができた。この手法は解析的係数を持つ方程式に対して広く用いることが可能で、シンボル計算の有用性を示していると思われる。
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