Project/Area Number |
08740126
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
|
Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
本田 竜広 有明工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (20241226)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | シュワルツ(Schwarz) / 擬凸 / 線形同型 |
Research Abstract |
Δを複素平面内の単位開円板とし、fをΔからΔへの正則写像でf(0)=0をみたすとするとき、|f(x)|【less than or equal】|x|がΔ上で成立する。さらに、Δ内の0でない点z_0が存在して|f(z_0)|=|z_0|をみたせば、ある複素数λが存在し、f(x)=λxであり、fは、Δの自己同型写像である。この結果は、Schwarzの補題と呼ばれ、領域上の正則関数は、線形写像であり、さらに、全単写で有ることを示している。またこれは、考察領域上のある1部分での正則写像の挙動を調べると、領域全体での写像の性質を決定するという知見を与えている。この補題を一般化して、n次元複素線形空間や無限次元空間で考えることができないだろうか。一般化するに当たり、異なる2点を結ぶ複素測地線の存在とその一意性が重要な鍵となることが分かった。この測地線は、有界凸領域Dで考えることができ、Car atheodor y距離と一致するΔからDへの正則写像のことである。いろいろな考察と計算の末、次の結果を得た。 定理1.Dを複素c凸バナッハ空間内のノルム||・||に関する単位開球とし、fをDからDへの正則写像でf(0)=0をみたすとするとき、||f(x)|【less than or equal】|x|がD上で成立する。さらに、射影空間内の開集合と同相なDの部分集合Uが存在し、U内の任意の点z_0が存在して||f(z_0)||=||z_0||が成立すれば、fは、Dの線形同型写像である。 定理2.Dを複素ヒルベルト空間内の内積から導かれるノルム||・||に関する単位開球とし、fをDからDへの正則写像でf(0)=0をみたすするとき、D内の開集合の多重極集合Xが存在し、X内の任意の点z_0が存在して||f(z_0)||=||z_0||が成立すれば、fは、Dの線形同型写像である。 さらに、この定理を応用して、議論、計算等をして、今まで分からなかった無限次元の複素射影空間を擬凸領域そのものやその領域上の線形同型写像の特徴付けができた。これにより、この領域上のいろいろな関数等の挙動を知ることができるはずである。そうすれば、値分布の問題などの未知の興味深い結果が得られる。このように、つぎは、この方面に研究成果を生かしていきたい。
|