Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本年度の研究実績は(1)ベクトル場のホモクリニック倍分岐の研究,(2)特異摂動的ベクトル場の軌道の大域的構造の研究,(3)ベクトル場の標準形の研究,に大別される. (1)ホモクリニック倍分岐の問題に関してはorbit-flip型のホモクリニック軌道を持つ区分的に線型なベクトル場の族を対象として数値的また数学的な解析を行い,無限回のホモクリニック倍分岐の発生とその集積が起こりうることを示唆する結果を得た.これはホモクリニック倍分岐がある場合にFeigenbaum現象と類似の仕方で無限回繰り返して起こり集積することを示唆しており,カオス的力学系との関わりの新しい側面として興味深い.またそれを数学的に証明するための試みとして,余次元3のより退化したホモクリニック軌道からの分岐をべ,その開折により無限個のホモクリニック倍分岐が起こることを示した. (2)特異摂動的ベクトル場に関してはある種の特異摂動的な2次元常微分方程式を考え,それが適当な条件の下に無限個のヘテロクリニック軌道を持つことをConley indexの理論を用いて示した.これは今後このようなタイプの力学系の研究に有力な手法を提供することが期待される.またshadow systemと呼ばれる非線型偏微分方程式系の解空間の大域的構造についてもConley indexを用いた研究を行い,現在論文を投稿中である. (3)ベクトル場の標準形に関しては,宇敷きによって与えられた標準形の計算方法を改良し,J.Sandersの論文で未解決であった問題に部分的な解答を与えた.
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