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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
非圧縮Navier-Stokes方程式で記述される流れ問題の原始変数を扱う風上風下点選択型有限要素スキームに対する領域分割モルタル要素法の適用を検討した。このスキームは,(1)風上風下点選択型近似(Tabata-Fujima,1991)は境界層内の流れを精度良く近似し,高Reynolds数流れの挙動を良く捕えることができる,(2)流速P2同相P1/圧力P1要素(Bercovier-Pironneau,1979)は下限上限条件を満たしていて不自然な圧力振動が生じる恐れはない,(3)整合離散化圧力Poisson方程式による解法(Greshoら,1984)はNavier-Stokes方程式の混合型有限要素近似に整合するため,内部流,外部流を問わず任意の流れ問題に適用できる,などの特長を持つ。 領域分割法の適用は,流速と圧力に関して部分領域毎にP2同相P1/P1要素の有限要素空間を構成し,部分領域間の流速の連続性を拘束条件とするモルタル要素法の形で定式化した。最終的に解くべき方程式のサイズはモルタル関数の離散空間の自由度となり,元の整合離散化圧力Poisson方程式のサイズより小さい。モルタル関数の離散化に関して3種類の有限要素空間,(1)P2同相P1要素,(2)P2同相P1要素で各界面両端の節点の自由度を消去した要素,(3)P1要素,を用いて試験問題での数値結果の比較を行った。その結果,3つ共に流速と圧力に関して最良近似誤差が達成されること,後者の2つでモルタル関数が応力ベクトルに収束すること,が観察された。次にモルタル関数にP1要素を用いてキャヴィティ内流れの計算を行い,プロセッサ数を増やしたときに計算時間が短縮することを示した。また,Dirichlet境界条件のみの問題において,圧力とモルタル関数を連動して正規化する方法を示した。 この結果を含めて,学位論文(Thesis)としてまとめた。
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