Project/Area Number |
08740179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
田村 元秀 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (00260018)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 褐色矮星 / 赤外線 |
Research Abstract |
星の一生はその質量で決まる。質量が太陽の0.08倍未満の天体(これは我々の太陽のように水素の核融合を起こすには至らないが、重力収縮により多少高温になった後、1億年程度でしだいに冷たくなる)のうち、木星のような巨大惑星よりは重いもの、すなわち、その質量が木星の数倍〜80倍のものを「褐色矮星」と呼ぶ。この天体は、永年、恒星と惑星を結ぶミッシングリンクであったが、ごく最近、確実な一例が発見された。本研究の目的は、このような褐色矮星の統計的議論を始めるために必要な、系統的な効率の良い観測を始めることである。我々は2種類の観測的研究を開始した。一つは、近傍分子雲における比較的若い褐色矮星の候補を検出するための近赤外線における探索(サーベイ)であり、もう一つは、比較的年老いた褐色矮星を検出するための近赤外線サーベイである。岡山天体物理観測所、米国パロマ-観測所、及び、英国赤外線望遠鏡を用いて平成8年の10月〜12月に観測を実行した。得られた画像データの解析はまだ進行中であるが、これまでの予備的解析によれば、分子雲中には褐色矮星に進化すると予想される超低質量の天体が多数存在することがわかりつつある。これは、褐色矮星の形成とその暗黒質量への寄与という2つの問題に解答を与えるための重要なデータであると考える。今後は、その解析の終了と上記観測の普遍性を確かめ、統計的精度を上げるための他領域の観測を進める。さらに、年老いた褐色矮星を系統的に探索するためのフィルターの作成を終了したので、これを用いた系統的観測も進め、若い褐色矮星から年老いた褐色矮星に至る進化についても言及する観測的研究を行ってゆきたい。
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