Project/Area Number |
08740180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
渡部 潤一 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (50201190)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 彗星 / 木星 / 大気 / 天体衝突 / 近赤外線 |
Research Abstract |
シューメーカー・レビー第9彗星(1993e)は、1994年7月に木星へ衝突し、木星大気に大きな変動を与えた。国立天文台岡山天体物理観測所188cm望遠鏡の近赤外線カメラにより、衝突直後の発光、きのこ雲からの熱放射、それに続いて生成した塵雲からの散乱光が観測された。一方、ハッブル宇宙望遠鏡などの可視光の観測では、冷却したきのこ雲の落下により塵による巨大な痕跡が生成した。本研究では、塵雲の痕跡形状を再現するような弾道軌道モデルを構築し、落下・再衝突の定量化によって理論的な発光曲線を計算し、これを実際に得られた近赤外線発光曲線と比較することで、大規模衝突現象時の近赤外線発光の物理過程の解明を目指した。 この目的のために、コンピュータによる衝突痕跡の幾何学的形状を再現する弾道軌道モデルを構築し、上昇して落下する物質が木星大気の成層圏へ再衝突する物質の量の時間変化をモデルによるテスト粒子の数を数えることで調査を行った。再衝突時の発光量の定量化により、メインエベントの後半に当たる近赤外線量の変化は、上記の衝突物質の量に比例していると考えてよいことが判明した。これらの結果と衝突時の国立天文台岡山天体物理観測所188cm望遠鏡で得られたデータ等と比較を行い、全体の近赤外線発光は、最初のものが衝突時の爆発現象により上空で発光したもの、2番目が噴出したきのこ雲からの熱輻射による発光、3番目の発光がきのこ雲中での塵の凝縮生成および、きのこ雲物質の落下による二酸化炭素分子からの発光であると推定した。
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