Project/Area Number |
08740189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石塚 成人 筑波大学, 物理学系, 助手 (70251030)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 格子上の場の理論 / 多体相関関数 / 弱行列要素 / 標準模型 |
Research Abstract |
交付申請書にあるようにこの研究では、K→ππ崩壊過程での多体相関関数の計算方法の確立と目的とした。この崩壊確率振幅の非摂動論的な計算は標準模型のもつ未知量の決定には欠くことのできないものである。研究はこの過程のΔI=1/2と2/3過程の両方について行なった。特にΔI=2/3過程についてはその物理的な値を得るに至った。 ΔI=1/2過程の過程については、この過程特有の大きな統計揺らぎをゲージ固定しポイント・ソースを用いて押えることを試みた。この方法は弱い相互作用の(V-A)×(V-A)演算子に対しては有効ではなかったが、(S-P)×(S-P)演算子に対しては極めて有効であることが分かった。この演算子はCP不変性の破れを特徴ずけるパラメータε′/εを計算する際使われる。従って、この方法を用いることによって値を求めることが将来可能である。この研究は現在進行中である。 ΔI=3/2過程では最後の物理的な値を得ることができた。この過程では往来、quark質量依存性はさほどないと言われてきたが、今回の高統計計算によってこれは否定された。また、これまでさほど慎重に考えられていなかった有限体積効果と演算子の繰り込み補正を入念に調べ、物理的な値を求めた。往来の結果では、格子上の計算の値は実験値の2倍ほど大きく、その理由が分っていなかったが、原因は有限体積効果の評価にあることを突き止めた。今回得られた値は完全に実験値を再現しており、ΔI=2/3過程については目的は達成された。現在、この研究成果を論文にまとめている。 この研究では計算結果の解析とグラフ化は全て今回購入したパーソナル・コンピュータを用いた。
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