Project/Area Number |
08740194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川崎 雅裕 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50202031)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 宇宙論 / インフレーション / アクシオン / 位相欠陥 |
Research Abstract |
強い相互作用を記述する量子色力学ではCP対称性の保存を説明するために導入されたアクシオンは宇宙の進化とともにその質量を獲得するが、その際に位相欠陥としてドメインウォールがつくられて標準的な宇宙モデルにおいて深刻な問題となる。一方、標準的宇宙モデルの原理的な問題である平坦性問題や地平線問題を解決する新たな宇宙モデルの枠組として支持されているインフレーション宇宙モデルにおいてはドメインウォールの問題が解決できるかどうかは明らかではない。また、インフレーション宇宙では新たな問題として、インフレーション中の量子ゆらぎに起因してクシオンの密度揺らぎが大きくなりすぎるという問題もある。 したがって、本研究ではインフレーション宇宙におけるアクシオンを考え、ドメインウォール問題や密度揺らぎの問題が解決できるかどうかを明らかにするために、アクシオンを含むスカラー場の宇宙における進化を数値シュミレーションを使って解析し、インフレーション中の量子揺らぎやインフレーション後のスカラー場の崩壊によって新たに作られるアクシオン場の揺らぎがドメインウォールを生み出すかどうかを詳しく調べた。その結果、アクシオンを含むスカラー場のポテンシャルを平坦にすることによって、インフレーション中の量子揺らぎに起因するドメインウォールの生成は抑制することができるが、インフレーション後にアクシオンを含むスカラー場が共鳴的に崩壊して作られるアクシオンの揺らぎは大きく、一般的にはドメインウォールの生成が防げないことが明らかになった。これはアクシオンのモデルやインフレーション宇宙のモデルを構築する上での大きな制約となるという意味で、極めて重要な結果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)