Project/Area Number |
08740227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江島 丈雄 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80261478)
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Project Period (FY) |
1995 – 1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 多層膜 / 内殻吸収 / 全光電子収量法 / エリプソメトリー / 光学定数 / 異方性 / RHEED / Pepper |
Research Abstract |
8年度交付申請書に記載した研究実施計画に基づいて研究を行った。1. Si(111)基板の上にC_aF_2,Siの順にエピタキシャル成長させた2層膜試料、C_aF_2,Si,C_aF_2の順に成長させた3層膜試料を、C_aF_2の膜厚を固定しSiの厚さを変えて作製した。作製した試料のそれぞれについてRHEEDの観測を行ったところ、基板においてはSi7×7構造が、またエピタキシャル成長させたSi,C_aF_2膜においては1×1構造が観測された。2. 1と同時にHe-Neを光源とするin-situエリプソメトリー実験を行った。得られた偏光度を平行平板モデルを用いて解析することによって、膜の厚さが求められた。この偏光解析から得られた膜厚はX線小角散乱法による膜厚の評価とほぼ一致し、膜厚を正確にコントロールした試料を作ることが可能となった。3.作製した多層膜試料のSi-L吸収を測定した。実験は、室温で全光電子収量法を用いて試料の角度依存を測定した。その結果、比較のために測定したSi基板ではSi-L吸収に角度依存性が見られなかったが、多層膜試料には角度依存性があることが観測された。この角度依存性は、光の試料に対する入射角度が斜入射になるに従って、L吸収端で吸収強度が相対的に減少し吸収端より低エネルギー側では吸収強度が増加する、という変化を示した。この変化はSiの膜厚が等しい層数の異なる試料間ではほとんどみられず、同一層数でSi膜の膜厚が厚くなると強い変化を示した。この比較から、スペクトルの角度依存性はSi薄膜の異方性によるものと考えられる。4. 膜厚に依存するSi-L吸収の異方性をPepperの表式に基づいて解析を行った。Si薄膜の光学定数を等方的と仮定した場合には測定スペクトルを再現出来ず、異方的とした場合にスペクトルが再現された。また、得られた面垂直方向の光学定数は、バルクSiとは異なり、イオン結晶的な光学定数を示した。得られた異方的な光学定数が量子井戸状態によるものかどうかはさらなる解析が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)