Project/Area Number |
08740235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 賢 東京大学, 物性研究所, 助手 (00222216)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光刺激脱離 / 光エッチング / シリコン表面 / 塩素 / X線光電子分光 / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
私の属しているグループでは、超高真空下での塩素吸着シリコン(111)表面における光化学反応の初期過程を調べる目的で、紫外パルスレーザー照射による光刺激脱離種の測定、及び、脱離後の表面の走査トンネル顕微鏡観察を行ってきた。その結果、主な脱離種は二塩化シリコンであること、原子スケールで見た表面構造は、シリコン(111)-7x7再構成表面から、その第一層のアドアトムが除かれた構造、即ち、第二層のレストアトムの配置をもつ構造に殆どの領域が変化すること、を見出していた。しかしながら、このシリコン(111)-7x7レストアトム表面は、シリコンレストアトムがむきだしているのか、塩素原子でシリコンレストアトムが終端されているかは、これらの測定だけでは不明であった。 本研究の第一の目的は、X線光電子分光測定によって、それがどちらかであるかを判断することであった。X線光電子分光では、表面のシリコン原子に感度のある120eV程の光を用い、シリコン2p内殻準位からの光電子を捕らえ、そして、その内殻準位の化学シフトのエネルギーが、表面シリコン原子に結合している塩素原子の数によって、とびとびに変わることから、終端塩素の数を調べることができる。実験の結果、光照射前の表面は、一、二、三塩素原子がシリコン原子を終端しているのに対し、光照射後の表面は、一塩素原子がシリコン原子を終端していることが、判明した。即ち、今まで不明であったシリコン(111)-7x7レストアトム表面の原子種は、一塩素原子終端のシリコンレストアトムであることが分かった。
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