Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
申請者は東北大学理学研究科に在学中に見出したPbI_2平板状微粒子中に閉じ込められたフォノンをもとにして,量子化された励起子の最低エネルギー状態について研究してきた.本研究では,高次の閉じ込め準位にある励起子を探ることを目的とした.時間分解測定の予備的実験として,液体ヘリウム温度での励起子準位に共鳴したラマン散乱を測定し,フォノンによるシグナルの他に60cm^<-1>付近にこれまでのバルクでは見られていない構造が観測された. この構造が量子化された励起子による散乱信号かを確かめるために,電荷によるラマン散乱の研究で標準的に用いられている励起強度依存性の測定を手始めに試みた.この実験はアルゴンレーザーを励起光源として強励起を室温で行った.しかし,試料が強励起によって変質してしまい,これ以上の測定は出来なかった.そのため,液体ヘリウム温度または窒素温度程度の実験を行うべく準備を進めている. 一方,SiGe混晶による電子ラマン散乱の研究は数々の結果が得られている.東京理科大学の高野教授のグループによってゾーンメルティング法で作られたバルク混晶及び東京大学先端領域研究センターの宇佐見博士によってMBE法によってGe基板上に作成されたエピ膜を用いて強励起下での電子ラマン散乱の測定を行った. それぞれの試料において,組成の変化によるバンド変調,基板との格子定数のミスマッチによるバンド変調に対応して電子ラマン散乱光のピークエネルギーがシフトすることを見出した. バンド変調が光励起電荷の緩和に及ぼす影響を調べる為の基礎的データが得られつつあり,今後の測定に期待が持てる.
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