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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
近接場光学顕微鏡を用い,色素ドープ微小球,ポリシラン分子,半導体量子ドットなどの高分解能発光観測をおこなった.特にプローブにおける微細光導波部の構造を大きく改良し,プラズモン効果による高い検出感度を達成した. 化学エッチングにより先鋭化した光ファイバに遮光用の金属膜をほどこし,先端部に微小開口を設けたものをプローブとして利用した.先端近傍における励起光,信号光の伝達部は金属クラッド導波路とみなすことができる.このような構造に対し,導波モード解析をおこなうことにより,カットオフ径,金属による吸収係数を定量的に評価した.その結果,高い検出感度を得るという観点から,プラズモンモードが最も優れた伝搬特性をもつことが明らかとなった.プラズモンモードを効率的に励起し,しかも光損失の大きな領域を極力減らすため,エッチングによるプローブ形状の最適化をおこなった.光測定評価により,この光導波路中にプラズモンモードが励起されていること,および先端部までの光の伝達効率が大幅に改善されていることが確認された. 上で作製した高効率プローブを近接場光学顕微鏡に組み込み,発光観測をおこない,以下の結果を得た.まず,直径100nmポリスチレン微小球中にドープされた色素分子からの発光を観測した.特に,検出蛍光強度に対するプローブと微小球との距離依存性から、球近傍の近接場の広がりを実験的にはじめて評価した.また,紫外領域にバンドギャップをもつポリシラン分子微小凝集構造の発光画像計測もこころみた.光照射による発光退色現象を避けるため,弱励起による高感度検出技術が効果的に生かされた.高密度InGaAs量子ドットにおける単一ドット近赤外スペクトル測定にも成功しており,波長の5分の1の分解能を達成した.
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